遺産分割調停と審判
- 遺産分割がどうしてもまとまらないのですが、何か方法はありますか。
- 遺産分割手続は、相続人間で協議して決めることが原則です。
しかし、感情的な対立などで、相続人の間で話し合いができない場合があります。
遺産分割調停
遺産分割がまとまらない場合は、家庭裁判所に対して、遺産分割の調停を申立て、裁判所を通じて話し合うことができます。
調停において当事者間に合意が成立し、調停委員によってそれが相当であると認められた場合、調停が成立し、手続きは終了します。成立した調停調書は確定判決と同一の効力が生じます。
ただし、遺産分割調停は、あくまで裁判所において話し合う手続ですので、話し合いがまとまらなければ、遺産分割調停は不成立となります。
遺産分割審判
遺産分割調停が不成立になった場合には、遺産分割の審判となり、裁判官が遺産の分け方を決めることになります。なお、先に調停を申立てていたときは、調停不成立の場合には当然に審判手続きに移行し、調停申立ての時に審判申立てがあったとみなされますので、改めて家庭裁判所に審判の申立てをする必要はありません。
遺産分割の前提となる問題(何が遺産に含まれるか、遺言書の有効性など)については、遺産分割協議や調停・審判では決まらず、最終的に訴訟でなければ確定しない場合もありますので注意が必要です。
遺産分割の調停や審判により遺産分割の内容が確定した場合には、調停調書や審判書を用いることにより、登記手続をすることができます。