不動産登記の申請で、株式会社等法人の印鑑証明書を添付しなくてよくなりました(「不動産登記規則等の一部を改正する省令」令和2年3月30日施行)。
不動産登記規則第48条第1号、第49条第2項第1号には、
法人の代表者又は代理人が不動産登記申請書又は委任状に記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を不動産登記申請情報の内容としたときは、印鑑証明書の添付を要しない
と記載されています。
なお、「承諾を証する情報を記載した書面に記名押印した者」の印鑑証明書についても同様です(不動産登記規則第50条第2項)。
この省略をするには、不動産登記申請書における添付情報の表示として「印鑑証明書(会社法人等番号 ●●番)」のように記載する。
ということです。
印鑑証明書添付不要の場合においても、不動産登記令第16条第1項、第18条第1項又は第19条第1項に基づく押印は、なんの印を押印しても良いというわけではなく、今まで通り法務局届出印による必要があります。
登記官は、申請書の調査に際しては、法務局内部の印鑑データに基づいて、登記申請について調査を行うのでしょう。
もちろん、印鑑証明書が添付情報として提供されたときは、登記官はその印鑑証明書に基づき登記申請について調査を行います。
不動産登記規則第36条第1項第1号の
「登記事項証明書(作成後3か月以内のものに限る。)が提供された場合」
と同様になります。
例えば不動産の売買による「所有権移転登記申請」の場合です。
売主は
しかし今回の改正により、
資格者の代理人である司法書士は、本人確認と登記意思確認はもちろん売主等の登記義務者より印鑑証明書の提出を受けて、登記義務者の委任状への押印が法務局届出印であることの確認が今まで同様に必要でしょう。
結果、司法書士の作業としては、印鑑証明書を法務局に提出しなくても済むだけで、基本的には変わらないでしょう。
そして、会社等の法人としては、印鑑証明書を法務局に提出しない分、不正の登記申請がしやすいといえます。
それに備え、登記識別情報通知書と法務局届出印の管理を今までよりも厳重にしなければならないということになります。
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