会社法の一部を改正する法律(平成26年法律第90号)が平成27年5月1日に施行され、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め」が登記事項に加えられることとなりました(会社法911条3項17号イ)。
監査役 甲野太郎 | 平成27年5月1日就任 |
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平成27年5月1日登記 | |
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある | 平成27年5月1日登記 |
具体的には・・・
平成27年5月1日以降最初に監査役の辞任及び就任の登記をする場合において、
(i) 定款に監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めがある株式会社
又は
(ii) 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第87号)第53条の規定により監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものとみなされた株式会社
については、当該定めがある旨を登記する必要があります。
※上記(ii)について
平成18年5月1日当時、現に資本金の額が1億円以下であり、最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が200億円未満である株式会社は、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第87号)第53条の規定により、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされています。その後現在に至るまで当該定款の定めの設定又は廃止に係る株主総会の決議をしておらず、当該みなされた事項を定款に反映していない場合には、当該会社は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされた株式会社です。
監査役の監査の範囲は、原則として業務監査と会計監査に及びますが、非公開会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)の特則として、その監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を、定款で定めることができます(会社法第389条第1項)。
会社法の改正によって、会計監査限定の監査役を置いている株式会社は、その旨を登記することにより当該監査役の監査の範囲を公示して明らかにすることとなりました。
(1)平成18年4月30日以前に設立された株式会社
・資本金が1億円以下かつ株式の全部に譲渡制限があり、
かつ、
・平成18年5月1日以降、定款変更決議をしていない場合には、
⇒「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨の登記が必要となります。
(2)平成18年5月1日以降に設立された株式会社
・非公開会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)で、監査役の監査の
範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある場合には、
⇒「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨の登記が必要となります。
(3)監査役の変更登記(辞任や就任の登記)と同時に申請可能です。
登録免許税も役員変更と同じ区分です。
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