取締役会非設置会社を一人で発起設立する場合
株式会社設立を考えているAさん。
これまで個人事業主として仕事をしてきましたが、このたび自分ひとりの出資で、役員も自分ひとりの株式会社を設立したいと考えています。
取締役会非設置会社を一人で発起設立する場合
会社設立の立案者であるAさんを「発起人」と言います。
今回、発起人はAさん1人であり、設立に際して発行する株式すべてをAさん1人が引き受けます。
- 発起人が、定款を作成し、公証人の認証を受ける
- 発起人が、設立時発行株式に関する事項を決定する
- 発起人が、引き受けた設立時発行株式に該当する出資をする
- 発起人が、設立時取締役を選任する
- 選任された設立時取締役が、設立手続の調査を行う
- 本店所在地を管轄する法務局に会社設立登記の申請をする
- 目的
- 商号
- 本店所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名または名称および住所
- 発行可能株式総数
■ 取締役会非設置会社の設立登記申請に必ず添付が必要となる書面
- 定款
- 取締役個人の印鑑証明書
- 取締役個人の住民票(平成27年2月末から必要となりました)
- 払込みがあったことを証する書面(会社代表印で押印します)
■ 定款で定めがない場合に添付が必要となる書面 ※詳しくは後述しています
- 発起人の同意書
- 設立時取締役を選任した発起人決定書
- 設立時取締役および代表取締役の就任承諾書
- 本店所在場所を決定した発起人決定書
(以下の書面は、いずれも発起人個人の実印を押印します)
● 発起人の同意書
設立時発行株式に関する事項を定款で定めない場合には、①発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数、②発起人が設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額、③成立後の会社の資本金および資本準備金の額については、発起人の全員の同意で定める事項(会社法25条2項)となり、その同意書(発起人が個人実印で押印)を登記申請書に添付します。
● 設立時取締役を選任した発起人決定書
出資の履行後、発起人は設立時取締役を選任します。設立時発行株式1株を1議決権とし、発起人の議決権の過半数をもって選任します。
ただし、定款で設立時取締役を定めることもできます。また、設立時取締役が複数いる場合には、定款の附則で設立時取締役および設立時代表取締役を定める方法もあります。
● 設立時取締役および代表取締役の就任承諾書
定款または発起人決定書で設立時取締役を決定し、個人実印を押印している場合、就任承諾書は定款または発起人決定書の記載を援用できます。
ただし、電子定款で設立時取締役を決定している場合、別途就任承諾書に個人実印を押印したものが必要になります。
● 本店所在場所を決定した発起人決定書
定款においては最小行政区画(市区町村)のみの記載でも足ります。定款で本店所在地を最小行政区画のみで定めた場合、具体的な本店所在場所(何丁目何番地まで)については、発起人の議決権の過半数により決定する事項となります。
設立登記申請書の添付書類ではありませんが、上記の必要書類に加えて、会社設立登記申請書と一緒に印鑑届書を提出する必要があります。印鑑カードは、登記完了後に印鑑カード交付申請書を法務局に提出します。
⇒印鑑届出について詳しくはこちら