役員・機関設計に変更が生じたとき
役員について
会社の登記の中で、何度もお目にかかるのはこの登記ではないでしょうか。
役員 (取締役、監査役、代表取締役等) に次のような変更が生じた場合は登記をしなければなりません。
- 役員が交代した
- 役員が死亡した
- 役員の任期が満了した (※)
- 役員が増えた・減った
- 代表取締役の氏名・住所が変わった
※ 任期が満了し再任する場合も登記が必要です。
発行する全ての株式の取得において会社の承認を要する旨の定款の定めがある非公開会社 (委員会設置会社は除く) は定款の変更により任期を伸長する手続きができます (現行の取締役2年・監査役4年から10年まで伸長可能)。
役員変更登記に必要な書類
- 株主総会議事録 (司法書士での作成も可能)
- 委任状
その他、場合により必要となる書類
- 就任承諾書
- 定款
- 死亡の記載のある戸籍謄本
- 辞任届
- 取締役会議事録
- 印鑑届出書
機関設計について
株式会社は、人のように意思を持ちませんので、法人が様々な行為を行うには意思決定を行う機関が必要となります。
旧法におきましては、法が画一的に機関設計を定めていました (株主総会・取締役会・監査役は必須機関) が、平成18年5月1日に施行された会社法では、機関設計について最低限のルールを定め、当該ルール以外の部分については、会社がその規模や内容に応じて自由に機関設計ができるようになりました。
機関設計のポイントは以下の通りです。
1.株式の譲渡制限に関する分類 (公開会社か・非公開会社か)
会社法においては、発行する全ての株式の取得において会社の承認を要する旨の定款の定めがある株式会社を非公開会社 (以下、「譲渡制限株式会社」とします)、それ以外は公開会社に分類されます。
公開会社とは、いわゆる「上場会社」という意味ではないことに注意が必要です。
2.株主総会
株式会社である以上、すべての株式会社で設置。
3.取締役
すべての株式会社で最低1人は必要。
ただし、取締役会を設置する株式会社では3人以上必要。
4.取締役会
譲渡制限株式会社では任意設置。
それ以外の株式会社は必ず設置。
5.監査役
譲渡制限株式会社では任意設置。
ただし、取締役会を設置する会社では原則設置。
6.代表取締役
取締役は各自代表が原則であるが、その中から代表取締役を定めてもよい。
取締役会設置会社では代表取締役は必ず選定。
このように譲渡制限株式会社においては、株主総会・取締役だけの機関設計も可能となります。
そのため取締役会の設置、監査役の設置を廃止して取締役1人会社にしたり、名目上の役員が退任し実質の経営者だけを役員とすることも可能となります。
このように実体にあった機関設計に見直す会社も増えています。
その他、機関として、会計参与・監査役会等があります。
さらに詳しい機関設計についてはお問い合わせください。
機関設計を変更し、必要となる役員にも変更が生じた場合、機関設計の変更登記と同時に役員変更の登記をすることになります。
必要書類は、前述の役員変更登記に必要な書類をご覧ください。